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怖い話・恐怖体験
2020/05/29 14:15:01

夜念仏



会社からの帰宅時、何となく「のんびり帰りたいなぁ~」と思い、山中を通るM街道で帰ることにしました。

月に数回は通る道なので、真っ暗でも気にせずにたらたら走っていました。

そろそろM街道から降りるところまで来ましたが、またも何となくそのまま走り続けました。

街灯も無い山中、前方には暗闇しかないはずが、道の脇に何か白いものが見えます。

修行僧のような格好で、道に向かって手を合わせ、何かを唱えているようでした。

近くに宗教施設でもあって、イベント的な催しでもやっているんだろうと気にせずに通過。

直に2人目も通過、3人目も通過、4人目でなんのきなしに車を止め、何をしているのか聞いてみることにしました。

車を降りて、「すいません・・・」と言ったところで、さっきまでいた白装束がいません。
山を切り開いた場所なので、高い土手に囲まれていて隠れる場所も無いはず。
車の周りを探してもいない。何度か「すいませ~ん・・・」と声をかけても反応無し。

まあ、いないならいいかと車に戻り、ホラーのお約束を期待して、
バックミラーにさっきの人が写って・・・・・・・・・いない。
振り向いたら後部座席に・・・・・・・・・いない。
前を向いたらフロントガラスに・・・・・・・・・いない。
助手席に・・・・・・・・・いない。
・・・・・・・・・現実はこんなもの。ホラーのセオリー通りに怖いことは起こりません。

帰ろうとして車道に戻るため、ウインカーを出して、右を見た時・・・・・・・・・いました。
運転席の窓に顔を押しつけて覗いているおっさんが。

セオリーでは運転席の窓の外も可能性があったはずなのに、失念していました。

気を抜いたところで来るあたりが、素晴らしく、敗北感を感じながらも車を降りました。

「すいませ~ん・・・」・・・・・・いない。探したけどいない。

またかと、もういいやと帰りました。

それからも何度か深夜にその道を通りましたが、一度も見ていません。

体験したのは8月14日だったので、お盆の時期じゃないとダメなのでしょうか。

調べたところ、近辺に宗教施設のようなものはありませんでした。
もしかしたらこれが夜念仏というものだったのかも知れません。